2006-01-01から1年間の記事一覧

倫理の可能性

私たちの社会では、一般には、「それが倫理的であるかどうか」ということが問われる。もう一歩引いて、「どういうことが倫理的だと言えるのか?」が問われることもある。いずれにせよ、最終目的は「倫理的であれ」というメッセージを発することだ。 しかし、…

宮台真司(1)

初めて宮台真司を見たのは、オウム事件のころの朝まで生テレビだった。 衝撃だった。 今までの評論家や研究者、ジャーナリストとは、発言内容もそのスタイルも全く違っていた。 (1)「個人的体験」や「社会に対する一般的印象」ではなく「統計的事実」に基…

コミュニケーションの実りの無さについて

ネット時代の反論術 (文春新書)作者: 仲正昌樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/10/20メディア: 新書購入: 1人 クリック: 23回この商品を含むブログ (46件) を見るしみじみ。

徹底的に交通整理をして、それでもなおどうしようもなく残るものを見極めたい。 整理の努力もせずにガラクタを崇める行為は耐がたい。 だから、本当にやりたいのは交通整理などではないのだ。 要するに、かの人のスタンスはこのようなものであり、これはまっ…

消費戦略

経営戦略、商品開発戦略、販売戦略というのはあるが、なぜ消費戦略とか、もっと言えば生活戦略などという概念が無いのだろう。戦略を持って挑んでくる相手に、ノーアイディアで立ち向かって自律性を保てるわけがない。

マスメディアの振る舞いに問題があるとしても、彼らに力を与えているのは視聴者、国民だ。 とはいえ、国民が悪い、と言ったところで何の解決にもならない。 問題は、なぜ国民がマスメディアに力を与えているのか、ということだ。 要するにこの社会には、国民…

報道が教えてくれないアメリカ弱者革命―なぜあの国にまだ希望があるのか作者: 堤未果出版社/メーカー: 海鳴社発売日: 2006/04/28メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 35回この商品を含むブログ (30件) を見る

インターネットはグローバルビレッジだと昔誰かが言っていました。 本当に、そうなってしまったのだなあと感じる、歴史的な出来事がありました。 今まではインターネットは社会の外部であり、社会は言わば挑戦の対象でした。 我々は外部の視点から少しずつ社…

最近の色々な経験について振り返ったり、http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20061018を読んだりするにつけ、つくづく思う。これからの社会に本当に必要な学問。 矢面学 何かの分野で矢面に立つと世間の期待が集中し、応えられないと一転ものすごい批判に遭う。ト…

この本は読み方を間違えると膨大な時間の無駄になってしまう。

作品として読んではいけない。原材料、鉱物資源として読むべきである。富の未来 上巻作者: A.トフラー,H.トフラー,山岡洋一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/06/08メディア: 単行本購入: 17人 クリック: 283回この商品を含むブログ (145件) を見る

間違いだらけの公務員制度改革―なぜ成果主義が貫けないのか作者: 中野雅至出版社/メーカー: 日本経済新聞社発売日: 2006/09/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 21回この商品を含むブログ (2件) を見る富の未来 上巻作者: A.トフラー,H.トフラー,山岡洋…

私にできることが何かあるだろうか。 その人を救うために少しでも役に立つことを私ができるのなら、そうしたい。 けれども、私の成し得るほとんどすべてのことが、むしろその人を一層苦しめてしまう。 私の想像力では、そんなことしか思い浮かばない。 普段…

身のまわりで胸の痛む出来事が次々に起こる。 ちょっと待ってよ、まだ心臓止まって無いじゃん。 「死」などという言葉に、ここで出会うのか。

ルーマン

たぶん読めないだろうな。 前書きと後書きだけはなんとか。〈メディア〉の哲学 ルーマン社会システム論の射程と限界作者: 大黒岳彦出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2006/09/09メディア: 単行本 クリック: 28回この商品を含むブログ (29件) を見る

ストロベリーショートケイクス

矢崎仁司の映画は、いつも「完了形」だ。 すでにもう、終わってしまったことを、後から振り返って描く。 映画なんてみなそうだろうとか、そういう話ではなくて、 物語の冒頭から、というより映画館のスクリーンに明滅する光が目に入って来た瞬間から、「全て…

生物学と心理学と経済学

誘惑される意志 人はなぜ自滅的行動をするのか作者: ジョージ・エインズリー,山形浩生出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2006/08/30メディア: 単行本購入: 18人 クリック: 344回この商品を含むブログ (104件) を見る

購入

日本経済にいま何が起きているのか作者: 岩田規久男出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2005/05/27メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 8回この商品を含むブログ (13件) を見るファンキービジネス作者: ヨーナス・リッデルストラレ,シェル・ノードスト…

偏在から遍在へ

ある講演会を聴きに行ったが、内容は今ひとつ精彩を欠くものであった。話術の巧みさとか、コンテンツのまとめ方の要領の良さは感じられたが。 その後書店に立ち寄り平積みになっている本を何気なくめくっていると、正に今しがたそのスピーカーから聞いたのと…

成功

「ゆれる」について。 事件の真相がどうであれ確かなことは、刑務所での面会の時に稔が猛を挑発しなければ、猛は稔を有罪に導くような証言は決してしなかっただろう、ということだ。つまり稔は、生まれて初めて、自分の人生をコントロールすることに成功した…

水の花

美奈子とゆうが、おもちゃの家でままごとをして遊ぶ場面。 美奈子はゆうと出会うことにより、「自分」から離れることができた。 美奈子はゆうとままごとをして遊ぶことにより、「自分とゆう」から離れることができた。 二重の対象化。 世界の俯瞰。 世界のな…

価値の最大化とモチベーションの最大化

飛行機で隣の席に座った人としゃべったりすることは普段は無いのだが、何かのきっかけで会話が始まると目的地まで時間を忘れて話し込んだりして、お互いとても楽しかったりする。こんなに楽しいんだったらもっと早く話しかければよかったと思ったりして。そ…

「ゆれる」(監督:西川美和)

テーマはともかく。 香川照之があまりにすごい。 色んな嫌な記憶を強引に引きずり出された。 未だダメージあり。

打ちひしがれている人に

打ちひしがれている人に、何か規範的なことを言ってもほとんど聞いてもらえない。たとえその規範に従うことで、打ちひしがれている状態から脱することができるとしても、そのような想像力を働かせるには余裕がなさ過ぎるのだろう。 未来の快のために現在の快…

戻ってくるバトン

自分が好きだった人や場所やものの輝きが、時とともに失われていくのを見るのはつらいものだ。それは同時に、自分がそういった外部の輝きにいかに寄りかかって生きていたかを思い知らされることでもある。バトンが自分に戻ってきた、と考えればいいのかもし…

期待値のコントロール

仕事をして行くいく上でいつも突き当たる問題に、相手の期待値をどのようにコントロールするか、というものがある。 こちらが提供するものに対して、相手の期待値が大きければ大きい程、相手の不満は大きくなる。 もちろん、相手のクレームを真摯に受け止め…

最後の力

『○○力』『○○する技術』といった書物が氾濫する今。最後の決定版とも言うべきタイトルが『使う力』。大切だと言われている様々なビジネス知識やスキルを使いこなす、言わばメタスキルの重要性を説く一冊。その極意が「人間力」とされているところはご愛嬌だ…

退屈

退屈なのは暇だからだとよく言うが、死ぬ程忙しいのに死ぬ程退屈なことだってあるわけだ。 とはいえ、時間ができたからといってそれを有効に使うアイディアがあるわけではない。退屈を回避する手段として金儲けくらいしか思いつかなかったりする。別に金に困…

病(やま)ぞう

「はまぞう」みたいなシステムで今飲んでる薬をブログに表示できるようになればいいのに。

夏休みの読書

やっぱり今からでも『ウェブ進化論』くらいは読んでおくべきではないかとか、だったらついでに高城剛の『ヤバいぜっ!デジタル日本』も読んでおいた方がいいだろうか、などと気弱になっている。ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)作者:…

「経験しなければわからない」ということは経験しなければわからない

「こういうことはやっぱり経験しなければわからないな」と心底思うことがあった。世の中に「経験しなければわからない」ことがあることはもちろん理解していたし、今回の件についても例外ではないだろうと思うくらいの認識はあった。しかし、「経験しなけれ…