期待値のコントロール

仕事をして行くいく上でいつも突き当たる問題に、相手の期待値をどのようにコントロールするか、というものがある。
こちらが提供するものに対して、相手の期待値が大きければ大きい程、相手の不満は大きくなる。
もちろん、相手のクレームを真摯に受け止め、業務を改善して行くことも必要だろう。
小さくまとまらずに、より高い目標を目指すことも必要だろう。
しかし、こちらが提供できるものにはどうしても限度がある。
その場合は、相手の期待値が上がりすぎないようにコントロールするしかない。
こちらの予想を超える期待値を相手が持ってしまう時、どこかでプレゼンテーションを失敗しているのだ。
とはいえ、単に「どうせこの程度だから仕方ない」と思わせておけばよいというものではない。
最終的な到達点は高いに越したことは無い。
問題は、そこに到達するための力を、すべてこちらが出すべきか、ということだ。
そうすべきだという考え方もあるだろう。
しかしそれでは、こちらの出せる力が、すなわち到達点の限界値になってしまう。
相手が自分の力を出すことを当然と思うような、あるいは、進んで出したくなるような状況を設定できれば、こちらの出せる力の限界を超えた到達点を目指すことができる。
つまり期待値のコントロールとは、最終的な到達点を妥協することではなく、相手に、すべてこちらがやってくれると思わせないための状況設定のことだ。