ロジック

  • ロジックは、適切に使えば我々が一般に想像している以上に有効な手段である。しかし同時に、ロジックは手段に過ぎない。誰が、なぜその手段を選択しているのかが問われる。
  • 我々は、感情を押し通すためにロジックを使い、ロジックによる計算の結果特定の感情を表現する。ロジックと感情は、一般に表裏の関係だ。
  • 表現の裏には感情がある。論理の裏には非論理がある。我々は後者を常に表にだすわけではない。ナイーブにこれらを表に出すことで、却って目的から遠ざることもあるからだ。
  • 何を言葉にし、何をしないか、言葉にするとしてどのような表現を選択するかは、結局その波及効果を見据え、プロセスを逆算した上で構想した戦略なのだ。
  • 戦略の中で最も重要な条件の一つは、社会環境への適応だ。
  • 我々が社会の中でのどのようにロジックの価値を重視/軽視し、感情に基づいたコミュニケーションをどのように展開して行くかは、この、我々に前提として与えられた社会環境への適応の結果なのだ。
  • そして同時に、この適応の結果こそが、次の瞬間の社会環境を構成していく。
  • 不思議なのは、なぜ人々はこうも簡単に相手に手の内をばらすのだろうか、ということ。そして逆に、なぜこうも簡単に他人の表面的な言葉に影響されてしまうのだろうか、ということ。
  • それらを解くカギもまだ、この社会環境への適応過程をつぶさに観察し、分析していくなかで見いだせるのではないかと考える。