システムと忘却

http://d.hatena.ne.jp/fuku33/20070705/1183635453

システム批判もシステムの一部。


とはいえ、そもそも経済システムを何のために回すのか、という問いは残る。我々はX(=生活世界の充実とかなんとか)という目的を達成するために「経済システム」という手段を使う。現状の経済システムを回すことを盲信する者は、そもそもの目的を忘れてしまっている。一方この盲信者に対する批判は、往々にして経済システムそのものにも敷衍して向けられ、とにもかくにもXがそれによって成立しているということは無視される。つまり、経済システムの盲信者も批判者も、目的を忘却しているという意味では同じなのだ。


しかし、「目的と手段を取り違えている」「そもそもの目的を忘却している」と指摘するのは易しい。問題は、なぜ我々はかくのごとく「忘れっぽい」のか、ということだ。「社会が複雑になりすぎ、認知負荷を軽減する必要が生じたから」「目的と手段の因果関係の連鎖を全て把握するのは不可能なので」というような通り一遍の理由は思いつくが、本当にそれで説明になっているのか。そもそも「目的」とか「手段」とかいう概念に我々は本当に納得しているのか。ずいぶんうさんくさい話ではないか。


過食嘔吐を繰り返すようなこの社会は一体何なのか。