知識や技能の評価に比べて、態度・価値観や持続的行動の評価は極めて難しい。
価値観を直接問えば、「〜べきだと思います。」「〜が大切だと思います。」「〜しようと思います。」「努力します。」と誰でも答えるだろう。単に「問い」に対するその場限りの適応的反応を引き出すだけだ。
持続的行動は、原理的には測定可能だが、コストを考えると現実的ではない。


しかし、価値観や一貫した行動選択も学習の結果であることには変わりない。ただ、知識や技能の学習とは異なる種類の学習なのだ。
問題は、どのようなフィードバック情報を与えるかだ。
知識学習のフィードバック情報は正解/不正解。
技能学習のフィードバック情報は物理的成功/失敗。
価値観学習のフィードバック情報は?


ある種の快/不快を伴う体験。主観的なもの。


(しかしそこから振り返ってみると、知識学習も技能学習も、結局快/不快体験を動機としているのではないか。そこで学ばれているのは、「知識習得・技能習得をよしとする価値観」なのではないか。)


ただし、価値観の形成過程は、フィードバック情報としての体験そのものだけでは説明できない。その体験をどのように解釈し、自己イメージに統合するかという「ストラテジー」が、個人個人で異なるからだ。


「フィードバック情報としての体験」×「個人の体験解釈ストラテジー

この枠組みでしばらく考えてみよう。